OMOとは? ―OMOの基礎知識とOMOに対しての日本企業の現状―
集客やマーケティングにおいてテクノロジーの力を活用できる近年では、顧客の実店舗でのリアルな行動と、オンラインショップやWebサイトなどのデジタル上での行動をシームレスにつないで統合的に把握・分析できるようになりました。
O2O、オムニチャネルなどの言葉が生まれ、店舗管理者やマーケターなどマーケティングに携わる方の業務を効率化したり、生産性向上を手助けしてくれるようになりました。
一方で、マーケティングにおけるデジタルの進歩には常にキャッチアップしておく必要性も高まっています。
今回は、OMOについてご紹介します。
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OMOとは?
OMOとは、Online Merges Offlineの頭文字を取ったもので、Online Merges with Offlineの略です。
グーグル中華圏の社長を務めた李 開復(リ カイフ)氏によって提唱された概念で、日本語では、「オンラインとオフラインの融合」と訳されます。
日本ではまだ目新しい概念ですが、急速にデジタル化が進む中国ではOMOが浸透しています。
ただ単にオンラインとオフラインを融合させるという概念ではなく、今後すべてがオンライン化されていくことを見据えて、オンライン環境をベースにした考え方である点が特徴的です。
オフラインでの顧客接点が当たり前だった時代から、デジタル接点を前提とする時代へと変化しており、後者をアフターデジタル(After Digital)とよんでいます。
OMOとO2Oの違い
OMOを耳慣れない方でも、O2Oなら見聞きしたことがあるかもしれません。
OMOとO2Oは、一見、似ている概念ですが、OMOはO2O時代を経てデジタルマーケティングの前提条件がより進化した概念となります。
ここでは、OMOとO2Oの違いを解説します。
O2Oとは?
O2Oとは、Online To Offlineの頭文字を取ったもので、オンラインからオフラインへ、逆にオフラインからオンラインへと、顧客を誘導するマーケティング施策のベースとなる考え方です。
たとえば、Webサイトを訪れたユーザーの実店舗への来店を促すためにクーポンを発行したり、実店舗でLINE@への登録を促し、LINE上で新商品情報やキャンペーン情報を提供したり、オンラインショップへの導線を設けたりするのがO2Oです。
O2Oは、オフライン(実店舗)を中心としながら、新たに出現したオンラインショップなど、Web上・デジタル上での顧客接点と結びつけるという概念です。
OMOとO2Oの違いとは?
これだけを聞くと、O2Oとよく似た概念のようですが、OMOは、オンラインを起点としている点で先進的です。つまり、「オフラインをベースに補佐的にオンラインを活用する」といったこれまでの考え方ではなく、「オンライン化されていることが前提の上で、オフラインとの融合でいかに成果を出すか」という観点が重視されているのです。
また、O2Oは店舗側の視点で考えられていますが、OMOでは顧客側の視点や顧客体験が重視されています。
日本におけるOMOの現状
中国・米国ではOMO化が進んでいますが、日本においてはまだオンラインがオフラインを補足する位置づけから脱し切れておらず、OMO化が進んでいるとはいえません。
その背景には、日本の実店舗の利便性が高く、オフラインを起点としたサービスに顧客がほぼ満足している現状もあります。
しかし、現状ではOMOに関して日本と同じような状況であるヨーロッパでも今後、OMO化が進む可能性があり、遅れを取らないよう日本でも取り組みを推進していく必要があると考えられます。
その際は、既存の利便性に加えて「楽しさ」「面白さ」といった要素を取り入れることで、顧客体験を向上する視点が重要になってくるでしょう。
まとめ
中国や米国ではOMO化が進んでいます。OMO時代の到来といっても過言ではありません。
ひるがえって、日本ではオフラインによる販売の利便性や完成度の高さなどからOMO化が進んでおらず、まだまだこれからだといえます。ただ、新型コロナウィルスの感染拡大が収束しない今のうちにOMO化を進めておくことで、将来的に得られるメリットは大きなものとなるでしょう。
OMOとは何かを把握して、日本の現状と自社のつよみに合った方法で取り組みをスタートさせてみてはいかがでしょうか。
お困りごとがありましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。
執筆者情報:
ユニリタ STORE+チーム
株式会社ユニリタ ビジネスイノベーション部
多店舗管理ツール「STORE+」のプロモーション担当チームです。
コミュニケーション情報を蓄積・共有・活用するシステムに長年携わってきたメンバーが、多店舗・多拠点の管理に課題を持つ方に、役立つ情報をわかりやすく発信することを心がけています。