ウェルビーイングとは?注目される背景から実際の取り組み事例まで解説

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ウェルビーイングとは?注目される背景から実際の取り組み事例まで解説

ウェルビーイングとは、(Well-being)とは、身体的にも肉体的にも社会的にも充足した状態のことをいいます。言葉としては、70年以上も前から存在していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革の推進、SDGsへの取り組みが強化される中でウェルビーイングに注目が集まっています。

本コラムでは、ウェルビーイングについて、注目される背景や取り組むメリット、取り組み事例などをご紹介いたします。



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ウェルビーイングとは?

ウェルビーイング(Well-being)とは、身体的にも肉体的にも社会的にも充足した状態のことをいいます。 日本語訳として「幸福」が当てはめられる場合もありますが、厳密にいえば幸福の英語訳である「happiness」が一時的な状態を指すのに対し、「ウェルビーイング(Well-being)」は持続的な状態を指す点で異なります。

「ウェルビーイング」という言葉が初めて使われたのは、世界保健機関(WHO)が設立された1946年、設立者の一人で、中国の外交官である施思明(スーミン・スー)氏が、WHOの機関名や憲章の中に「健康」を盛り込むことを提案した際だといわれています。

さまざまなウェルビーイングの定義

一般的なウェルビーイングの定義は冒頭でもご紹介しましたが、さまざまな機関が独自にウェルビーイングを定義しています。そのうちの一部をご紹介いたします。

WHOの定義

前述の施思明氏は、予防医学だけでなく健康促進の重要性を唱え、WHOの機関名や憲章の中に「健康」を盛り込むことを提案しました。

WHOでは、この「健康」について、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあること」と定義しています。

内閣府の定義

内閣府が発表した「Well-beingに関する取組」によれば、ウェルビーイングは「満足度・生活の質」として使われています。

厚生労働省の定義

厚生労働省が発表した「雇用政策研究会報告書」によれば、「『ウェル・ビーイング』とは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」とあります。

ウェルビーイングの使い方(用例)

「ウェルビーイング」という言葉に耳慣れないと、どのような文脈で使えば良いのか悩むこともあるかもしれません。 以下にウェルビーイングの使い方(用例)をご紹介します。

  • 職場環境や待遇をウェルビーイングの観点から見直す。
  • 従業員のウェルビーイングにも配慮しながら企業経営を行う。
  • 時代を鑑みて、ウェルビーイングビジネスを新規事業として立ち上げる。
  • ウェルビーイングの実現を目指した社会づくりやまちづくりに取り組む。
  • 日本全体のウェルビーイングを高めるためには、産官学連携で取り組む必要がある。

ウェルビーイングが注目される背景

前章でご紹介したように、「ウェルビーイング」という言葉そのものは、1946年に初めて提唱されました。それが、最近になって注目されているのには、以下のような背景があります。

SDGsへの取り組み

SDGsは、2015年9月に開催された「国連持続可能な開発サミット」にて、全会一致で採択されたアジェンダの中で掲げられた、17の目標と169のターゲットから成ります。

この17の目標のうち、3番目に掲げられている「すべての人に健康と福祉を」ですが、元の英文は「Good Health and Well-Being」となっています。つまり、「すべての人にウェルビーイングを」というもの。 これが、ウェルビーイングが注目されるようになるきっかけの一つとなりました。

働き方改革の推進・労働安全衛生法の改正

2019年4月1日、働き方改革関連法の施行がスタートしました。働き方改革で掲げられた「一億総活躍社会」は、ウェルビーイングの概念を含んでいます。ワーク・ライフ・バランスや正社員と非正規社員の間にある不合理な待遇の差をなくすことで、労働者の良好な状態を実現し、これを労働生産性の維持・向上につなげようというわけです。

また、働き方改革関連法と同時に改正労働安全衛生法が施行されました。 そもそも、労働安全衛生法が制定された目的は、職場における従業員の安全と健康の確保、快適な職場環境の実現のためです。改正により、さらに労働時間の状況把握、産業医・産業保健機能の強化などの義務が強化されました。 この影響で、従業員のメンタルヘルス対策を強化したという企業は少なくありません。

つまり、働き方改革の推進や労働安全衛生法の改正が、働く人たちのウェルビーイングの向上につながったといえます。

グレート・リセットの推進

グレート・リセット(Great Reset)とは、現状の社会を構成する経済や教育などの既存のシステムを根本から見直して一度リセットし、より良い世界をつくるために再構築するという意味です。「世界経済フォーラム(WEF)」の2021年の年次総会(ダボス会議)でテーマとして取り上げられたことから注目を浴びました。

グレート・リセットに取り組むにはまず、再構築後の理想的な世界を描く必要があります。ただ、どのような世界を追求するとしても、その根底に人々のウェルビーイングがあることは間違いありません。このことから、グレート・リセットへの期待とともにウェルビーイングにも注目が集まるようになりました。

新型コロナウイルスの感染拡大

2021年から本格的に新型コロナウイルスの感染が世界規模で広がり、私たちの暮らしは大きな変化を余儀なくされました。意識の面では感染予防への意識が高まり、そこから派生して健康志向や衛生観念も向上しました。

コロナ禍では、直接、新型コロナウイルスに感染しなくても、いわゆる「コロナうつ」になったり、外出自粛の影響による孤独感からのメンタル不調になったりなど、心身の健康を保つことの重要性がクローズアップされました。 この経験から、働き方改革の推進や労働安全衛生法の改正で強化されつつあった日本企業が、より従業員の心身の健康を気にかけ、従業員のウェルビーイングを維持しようという動きを加速しました。

ウェルビーイングを構成する「PERMA」と呼ばれる5つの要素

施思明氏がウェルビーイングの概念を初めて提唱して以降、さまざまな機関や学者がウェルビーイングを定義し、国や企業などのウェルビーイングを測定しようと指標を定めてきました。

その一つが、米国の心理学者であるマーティン・セリグマン(Martin E. P. Seligman)氏が提唱する5つの柱で、その頭文字を取って「PERMA(パーマ)モデル」と呼ばれています。

  • Positive Emotion(前向きな感情)
  • Engagement(没頭できること)
  • Relationship(ポジティブな人間関係)
  • Meaning and Purpose(意味や目的)
  • Achievement/ Accomplish(達成)

マーティン・セリグマン氏は、個人や社会の強み・長所を研究する「ポジティブ心理学」の提唱者であり、「持続的な幸せ」の重要性を説きました。2011年に、計測可能なウェルビーイング理論を構築し、個人の幸福を構成する要素として上記5点を挙げました。

ウェルビーイングに取り組むメリット

企業がウェルビーイングに取り組み、従業員のウェルビーイング向上に貢献することで、企業はどのようなメリットが得られるのでしょうか?
大きく以下の4点が期待できます。

生産性向上

従業員のウェルビーイングが向上することで、業務に向かう上で障壁や不安となる要素がなくなるため、仕事に集中できるようになります。また、仕事への意欲が高まることが期待されます。その結果、生産性の向上が見込めます。

企業イメージやブランディングの向上

自社が従業員のウェルビーイング向上に取り組んでいることを社外に対してアピールすれば、「従業員を大切にしている会社」という印象を与えます。これが好感度アップにつながり、企業イメージが向上するでしょう。ひいては、企業ブランドの価値向上にも役立ちます。

優秀な人材の確保・維持

上記のように、自社のウェルビーイングに対する取り組みを社外へ周知することで、「そのような会社で働きたい」との意欲を持った優秀な人材を集めることが可能です。 また、すでに自社で働いている従業員の満足度(ES)も向上できるため、離職率低下につながり、無駄な採用コストを抑えることができます。

投資を集められる

投資を行う際は、候補先の財務情報を中心にチェックして判断することが一般的ですが、近年では、投資先が環境や社会に与える影響を加味した「ESG投資」が注目されています。 ESG投資とは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。

当初は環境(E)に比重が置かれていましたが、最近は社会(S)も重視されるようになっており、ウェルビーイングに取り組む企業が選ばれやすい状況にあります。

ウェルビーイングの取り組み事例

最後に、実際にウェルビーイングに取り組んでいる先進的な企業の中から、小売企業を中心に取り組み事例をご紹介いたします。

「Well-being経営」を掲げ、社内外に向けたプロジェクトを推進(株式会社丸井グループ)

ファッションビルなどを展開する株式会社丸井グループでは、“「しあわせ」の調和をめざす”という経営方針のもと、2016年11月に「インクルージョン(包摂)」視点で4つの重点テーマを定めています。このうちの一つに「ワーキング・インクルージョン」があり、この中で「Well-being経営」を掲げています。

同社のウェルビーイングへの取り組みは、1962年の丸井健康保険組合設立までさかのぼります。その後、丸井健保会館の開館、「ヘルスアッププログラム」の開始などを経て、2014年には、現在の「ウェルビーイング推進部」の原型となる「健康推進部」を新設するなど、早期からの取り組みは注目に値します。2019年には、同社の産業医が執行役員に就任。

2016年に開始された、社員向けの全社横断プロジェクトである「Well-being推進プロジェクト」では、フェムテックイベント「Well-being Village」などを開催。同プロジェクトには、5年間で約250名の社員が参加したといいます。

同社のウェルビーイングへの取り組みは、従業員と顧客の垣根がない点が特徴的です。たとえば、同社が持つオンライン、オフラインの店舗を通じて、ポップアップイベントを開催したり、大学生と社員がインスタライブでセッションを行ったりしています。

ウェルビーイングのガイドラインやツール集、ガイドライン策定プロセスをも公開(楽天グループ株式会社)

ECサイト「楽天市場」を中心にインターネット関連サービスを展開する楽天グループ株式会社では、2019年にCWO(Chief Well-being Officer)を設置して本格的にウェルビーイングへの取り組みをスタートしました。 CWOは、同社のウェルネス部(カフェテリアやフィットネスを通じて健康サポートを行う)、エンプロイー・エンゲージメント部(従業員と企業や部署のつながりを高める)、サステナビリティ部(ウェルビーイングに関する情報発信を行う)を統括します。

同社では、コロナ禍を背景に、2020年春からウェルビーイングへの取り組みを強化。ニューノーマル時代の持続可能なチームの在り方として、「ある目的のもとに、ありたい姿を持つ多様な個人がつながりあった持続可能なチームの状態」=「コレクティブ・ウェルビーイング」を掲げています。

「コレクティブ・ウェルビーイング」では、持続可能なチームであるための「三間(さんま)と余白」を推奨。「三間と余白」とは、「仲間」「時間」「空間」という3つの「間(余白)」をそれぞれにデザインすること。 それぞれの具体例は次の通りです。

【仲間をつなぐ】

  • 目的(存在意義)や価値観の発信
  • 多様な仲間との雑談(間)の推奨

【時間を区切る】

  • 仕事やチームの節目を演出
  • 計画的休憩(間)の推奨

【空間を整える】

  • 物理的空間とバーチャル空間での自社の演出
  • 場所や協業ツールの選択肢(間・幅)の提供

具体的な取り組みとしてはほかにも、カフェテリアで健康的な食事を提供したり、社内にフィットネスジムを設備したり、全従業員のデスクを昇降式スタンディングデスクにしたりなどがあります。

また、同社のウェルビーイングへの取り組みの過程で生まれたガイドラインやツール集を、同社のガイドライン策定プロセスとともにWebサイト上で公開。他社への情報提供を通して、社会全体のウェルビーイングの向上に貢献しています。

「健康宣言」のもと、生活習慣病対策やメンタルヘルス対策に取り組む(Zホールディングス株式会社)

ヤフー株式会社として設立し、現在はアスクル株式会社などを傘下に持つZホールディングス株式会社では、代表取締役社長により「健康宣言」が発令され、生活習慣病対策やメンタルヘルス対策のほか、過重労働対策、女性のための健康支援などに取り組んでいます。

「健康宣言」のもと、「働く人の身体の健康(安全)と心の健康(安心)をUPDATEする」ことを意味する「UPDATE コンディション」を掲げ、心身ともに最高のコンディションで業務に取り組める状態を目指します。

体制としては、リーダーシップを取る「CCO(Chief Conditioning Officer)」を任命。 その直下組織である「健康経営推進体制」として「グッドコンディション推進室」「安全衛生委員会」「社内レストラン&カフェ」の3つを配置しています。

具体的な取り組みの柱として「予防」「就労支援」「オフィス環境」を立て、たとえば「予防」では社内レストランでスマートミールメニューを提供、「就労支援」では傷病休職や治療と仕事の両立を目指す従業員への支援の提供、「オフィス環境」ではマッサージ室や仮眠スペース、運動スペースの完備などを実施しています。

この取り組みが評価され、「健康経営銘柄」に4年連続で選定されています※。 ※2018から2021年度。2018年度はヤフー株式会社として選定。

まとめ

ウェルビーイングは1946年から存在する概念ですが、コロナ禍やSDGsへの取り組みの中で注目を浴びるようになりました。

企業が従業員のウェルビーイング向上に取り組むことで、生産性の向上や離職率の低下、採用活動で有利にはたらくなどのメリットが期待できます。

自社で取り組む際は、上でご紹介したような他社事例も参考にしながら、自社の従業員が充足した状態を維持するには、何が必要かを検討し、実施してみてください。

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内野株式会社 様

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著者イメージ

執筆者情報:

ユニリタ STORE+チーム

株式会社ユニリタ ビジネスイノベーション部

多店舗管理ツール「STORE+」のプロモーション担当チームです。
コミュニケーション情報を蓄積・共有・活用するシステムに長年携わってきたメンバーが、多店舗・多拠点の管理に課題を持つ方に、役立つ情報をわかりやすく発信することを心がけています。

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