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インナーブランディングの概念こそ多店舗展開企業におすすめ! 店舗接客がブランディングにつながるからこそ意識するべき手法

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インナーブランディングとは

店舗経営を行っていれば、ブランディングを意識しないマネージャーはほとんどいないでしょう。
ブランディングを向上することで、競合と価格以外の面での差別化につながったり、認知度がアップしたり、ロイヤルカスタマーを増やせるといったメリットを享受でき、店舗収益の安定化に貢献するからです。

では、従業員に対する「インナーブランディング」を意識しているマネージャーはどのくらいいるでしょうか?
実は、インナーブランディングも、顧客に対するブランディングと同じくらい重要なのです。

本コラムでは、インナーブランディングのメリットや具体的な進め方についてご紹介いたします。

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インナーブランディングとは?

インナーブランディングとは、通常のブランディングのように顧客などを対象とした「外向き」のブランディング(アウターブランディングともいう)ではなく、「内向き」のブランディング、つまり、従業員を対象として自社に魅力を感じてもらうことをいいます。

具体的には、企業理念やビジョン、ミッション、行動指針、事業やブランド、経営層、従業員、社外からの評価などについて従業員に深く知ってもらい、その価値を社内に浸透させることでブランディング向上を目指します。

インナーブランディングが向上することで、離職率が低下したり採用力がアップしたりといった効果が期待できます。
インナーブランディングを成功させることが、ひいては商品やサービスの品質向上につながり、最終的にはアウターブランディングにも貢献します。

 

インナーブランディングが注目された背景

現在、日本は生産年齢人口の減少によって、企業の人材獲得が激化しています。従業員も価値観や働き方が多様化しており、一つの企業に定年まで勤めるといった帰属意識が薄くなり、転職が一般化しています。

企業は、貴重な経営資源である従業員の流出を防ぐためにも、インナーブランディングに注目し、従業員満足度の向上や働きがいの創出に取り組む企業が増えてきました。

また、従業員自身が企業ブランドを理解して活動することがアウターブランディングでは重要となり、結果的に売上につながるという考え方が広まりつつあります。

店舗接客業のモチベーション管理の難しさ

接客業は、お客様から直接「ありがとう」などの感謝の声を聞けることが、やりがいにつながる仕事ですが、クレームなどマイナスの反響を受けることもあり、常に高いモチベーションを維持することが難しい面があります。
モチベーションは、マネージャーが単に口頭で注意を促すようなことで保つことができる性質のものではないため、管理が難しいものです。

また、接客業に限らず、プライベートで嫌なことがあったり業務でミスをしたり上司に叱られたりすれば、仕事に身が入らないということは起こり得ますが、特に接客業の場合、スタッフの表情や声色が暗いといったことが、お客様を不快にさせてしまいます。
このため、店舗接客業においてスタッフのモチベーション管理は、難しいながらも重要な要素です。

 

インナーブランディングのメリット

インナーブランディングを成功させれば、従業員のモチベーション維持につなげることができます。
インナーブランディングには、モチベーション維持のほかにもさまざまなメリットがあります。
ここでは、インナーブランディングのメリットをご紹介します。

従業員満足度・従業員エンゲージメントの向上

企業理念やミッション、事業やブランドなどについて知ることで、自社に対する愛着を抱いたり誇りを持てたりするようになるため、従業員満足度や従業員エンゲージメントが向上します。
業務に対するモチベーションも向上し、維持できるようになります。

離職率低下・定着率向上

前項と関連し、従業員が自社で働く意義を見出せるようになるため、離職率が低下し、定着率が向上します。
人材流出が少なくなるため、安定して事業を継続できるようになります。

業務効率化や生産性向上

従業員の意識が変わることで、業務に対する姿勢がより真摯になるという効果も期待できます。
自主的に業務への改善案を出したり、モチベーションアップによって集中力が上がるなど、業務効率化や生産性向上につながります。

アウターブランディングにつながる

インナーブランディングが奏功すると、アウターブランディングにもつながります。

まず、従業員の行動が企業理念や経営方針などと一致するようになり、社外からの評価が向上します。

また、自社に対して愛着の沸いた従業員が対外的な発信を行ってくれることで、イメージアップが期待でき、採用面でも有利に働くようになります。

さらに、自社が提供すべき価値にフォーカスして業務を行うようになるため、商品開発や接客サービスにおいてもターゲット層に合ったものを提供できるようになり、顧客満足度の向上も期待できます。

インナーブランディングのデメリット

インナーブランディングを実施することで多店舗運営企業は多くのメリットを受けられますが、デメリットもあります。
ここでは、インナーブランディングのデメリットをご紹介します。

時間がかかる

インナーブランディングの目的と内容を検討・計画し活動するまでの時間だけでなく、従業員全員へのビジョンや理念の浸透は、今日明日すぐできることではなくかなりの時間を要します。

コストがかかる

インナーブランディングを浸透させるために、従業員へ情報発信・共有にもコストがかかります。また、従業員への研修なども必要になってきますので、対応する従業員の工数や、場合によってはコンサルタントといった外部のリソースを使うとコストがさらにかかります。

業務効率化や生産性向上

ビジョンや理念といったインナーブランディングがあいまいな場合は、逆効果になる可能性があります。
このような場合、捉え方が従業員ごとで違ったり、内容があいまいなゆえ共感を得ることは難しかったりと、混乱を招いてしまう場合があります。最悪な場合、企業への不信感へと繋がってしまいます。

 

インナーブランディングを進めるための方法

このようにメリットの多いインナーブランディング、実際に自社で取り組むには、どのように進めたら良いのでしょうか?以下で具体的にご紹介します。

1.現状把握

まずは、現状を把握する必要があります。
従業員に浸透させていくべき内容の核となる自社の企業理念やビジョン、ミッション、経営方針などを確認していきます。

そして、現状で従業員がこれらをどの程度、理解しているかを確認するためのアンケート調査を実施します。

既存の理念やミッションが従業員に賛同してもらえるような魅力がない場合は見直しが必要ですし、不足している場合は、新たに策定する必要が出てきます。

2.目標設定

次に、目標設定を行います。
最終的な目標は「社員に企業理念や企業価値を浸透させること」になりますが、通過点として、具体的に計測できる数値をKPIに設定しておくと、PDCAサイクルを回しやすくなります。

たとえば、「参加自由な会社イベントへの出席率」や「ES調査(Employee Satisfaction(従業員満足度)に対する調査)結果」などがKPIとして考えられます。

3.戦略・戦術の策定

立てた目標の達成に向けた具体的な施策を計画します。
手法としては、たとえば、次のようなものがあります。

ブランドブックやカルチャーブックの制作・配布

会社の方針や魅力をまとめた「ブランドブック」や、その会社らしい考え方や行動規範をわかりやすく示した「カルチャーブック」を制作し、従業員へ共有します。
企業理念やビジョン、ミッション、行動指針、経営方針、事業やブランドの紹介、経営層からのメッセージといった、普遍的な内容を収録して配布することで企業ブランドの浸透に役立ちます。

社内報の制作・配布

ブランドブックが普遍的な内容を掲載しているのに対し、その時期ごとの会社からのメッセージ配信と、従業員間のコミュニケーション活性化を担ってくれるのが社内報です。
定期的に制作・配布を行うことで、いわば「リテンション」の役目も果たしてくれます。

社内イベントの開催

社内報と同様に、数ヵ月~1年程度の短期的な会社発信メッセージと従業員間のコミュニケーション活性化、そして従業員同士の一体感を生み出してくれるのが社内イベントです。

社員総会や表彰式、社員旅行、運動会、BBQ、ファミリーデーなど、部署の垣根を超えて従業員を知り、コミュニケーションの取れるイベント企画がポイントになります。

従業員同士のコミュニケーションを活性化させるツールの導入

イベントではなく日常の中で従業員同士のコミュニケーション活性化を促してくれるのがツールの導入です。

たとえば、店舗運営支援サービス「STORE+(ストアプラス)」に付いている「サンクスカード機能」を使うと、従業員間でちょっとした感謝の気持ちを写真付きのメッセージを送ることで伝え合えます。
また、「ディスカッション機能」を使うと、シフトが異なるなど予定の合いにくい従業員間でもチャットと簡易投票を使ってディスカッションすることが可能です。

実施する施策をリストアップしたら、優先順位を決め、予算配分を行いましょう。

4.施策の実施

策定した戦略・戦術に基づき、計画した施策を実施していきます。
社内に企業ブランドを浸透させる際に注意したいのは、押しつけないことです。企業理念などを暗記させるとか、ブランドブックの使用を強制させるといったことはインナーブランディングに逆効果となります。
企業の魅力を身近に感じてもらえるような工夫を行った上で、社内に浸透するのを待つ姿勢が大切です。

5.効果測定

インナーブランディングは効果が出るまでに中長期的な時間を必要とするため、継続して施策に取り組み、定期的に効果測定を行って改善につなげることが重要です。

アンケート調査やNPSの従業員版である「eNPS」、ES調査などを実施して効果測定を行いましょう。

 

まとめ

どんな業界・業態の企業にとってもインナーブランディングは大切ですが、特に店舗において接客が発生するようなビジネスを手がける企業では、従業員の接客がアウターブランディングに直接つながるため、売上にも大きく影響してきます。

従業員に接客のモチベーションを上げてもらうためにも、上でご紹介したようなインナーブランディングを意識し、積極的に施策を実行しましょう。

インナーブランディングの手段の一つとして、「STORE+(ストアプラス)」のサンクスカード機能やディスカッション機能もご活用ください。

この記事は、2022/11/30に投稿した内容を2022/11/15にリライトしたものです。

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内野株式会社 様

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著者イメージ

執筆者情報:

ユニリタ STORE+チーム

株式会社ユニリタ ビジネスイノベーション部

多店舗管理ツール「STORE+」のプロモーション担当チームです。
コミュニケーション情報を蓄積・共有・活用するシステムに長年携わってきたメンバーが、多店舗・多拠点の管理に課題を持つ方に、役立つ情報をわかりやすく発信することを心がけています。

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